
シャドウ コピー用のディスク容量は、コピー元のファイルと同じボリュームか別のボリュームのいずれか
に割り当てることができます。使いやすさと保守の容易さを取るか、パフォーマンスと信頼性を取るか
をシステム管理者が判断する必要があります。
同じボリューム上でシャドウ コピーを保存すると設定や保守が容易にできるという潜在的利益がありま
すが、パフォーマンスと信頼性は低くなります。
注意:
シャドウ コピーがユーザー ファイルと同じボリュームに保存される場合、ディスク入出力(I/O)のバース
トによってすべてのシャドウ コピーが削除される可能性があることに注意してください。シャドウ コピー
の突然の消失は、管理者やエンド ユーザーにとって受け入れられない事態でしょう。そのため、異な
るディスク上の個々のボリュームを使用して、シャドウ コピーを保存することが最善であると言えます。
作成頻度の決定
シャドウ コピーをより頻繁に作成すれば、エンド ユーザーが必要なバージョンを入手できる可能性が高く
なります。ただし、ボリュームごとにシャドウ コピーを保存できるのは64個までなので、シャドウ コピー
を作成する頻度を取るか、以前のバージョンのファイルを入手するのに時間を費やすことを取るかを
判断する必要があります。
ストレージ サーバでは、シャドウ コピー機能がボリュームで有効になっている場合、デフォルトで、月曜日
から金曜日の午前7時と正午12時にシャドウ コピーが作成されます。シャドウ コピー スケジュールがエン
ド ユーザーの要件に合うように、管理者はこれらの設定を容易に変更できます。
シャドウ コピーとドライブの最適化
シャドウ コピーが起動されているボリュームでディスクの最適化機能を実行すると、最も古いシャドウ コ
ピーから順にすべてまたはいくつかのシャドウ コピーが失われます。
シャドウ コピーが有効になっているボリュームを最適化する場合は、16KB以上のスナップショットのクラス
タ(アロケーション ユニット)サイズを使用してください。このアロケーション ユニット サイズを使用すること
により、スナップショットでのコピー回数が少なくなります。アロケーション ユニット サイズを使用しないと、
最適化プロセスによる変更の回数が原因で、シャドウ コピーが予想よりも早く削除されることになります。
ただし、クラスタ サイズが4KB以下の場合、NTFS圧縮だけがサポートされることに注意してください。
注記:
ボリュームのクラスタ サイズを確認するには、fsutil fsinfo ntfsinfoコマンドを使用します。
データが含まれるボリューム上のクラスタ サイズを変更するには、ボリューム上でデータをバックアッ
プし、新しいクラスタ サイズを使用して再フォーマットし、データを復元します。
マウントされたドライブ
マウントされたドライブは、NTFSボリューム上で(マウント ポイントと呼ばれる)空のフォルダに接続される
ローカル ボリュームです。マウントされたドライブが含まれるボリュームでシャドウ コピーが有効になってい
る場合、マウントされたドライブは、シャドウ コピーの作成時には含まれません。また、マウントされたドライ
ブが共有され、シャドウ コピーが有効になっているときに、(マウント ポイントが保存される)ホスト ボリュー
ムからマウントされたドライブにトラバースしている場合、ユーザーはシャドウ コピーにアクセスできません。
たとえば、フォルダ
F:\data\users
があり、
Users
フォルダが
G:\
のマウント ポイントであるとします。シャドウ
コピーが
F:\
と
G:\
の両方で有効になっている場合、
F:\data
は
\\server1\data
として共有され、
G:\data\users
は
\\server1\users
として共有されます。この例では、ユーザーは
\\server1\data
と
\\server1\users
の以前
のバージョンにアクセスできますが、
\\server1\data\users
の以前のバージョンにはアクセスできません。
シャドウ コピーの管理
vssadminツールは、ボリューム シャドウコピーを作成、表示、サイズ変更、および削除するコマンド ライ
ン機能を提供し
ます。
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ファイル サーバの管理